会員の皆様におかれましては、COVID-19感染症と向き合いながら、様々な患者さんのリハビリテーション医療に献身的に取り組まれておられることと存じます。心から敬意を表し、感謝申し上げます。
この様な状況ではございますが、リハビリテーション医学の学問的な発展の歩みを止めることは出来ません。学術集会における様々な知見の発表と討論が医学には欠かせません。新型コロナ感染症禍中ですが、現在、和歌山県立医科大学リハビリテーション医学講座として総力をあげ、第58回日本リハビリテーション医学会学術集会の準備を進めております。
日本リハビリテーション医学会は、現在約11,000名の会員を擁し、名実ともにわが国を代表する基盤学会の一つです。日頃の研究・診療・研究・教育の成果を発表し、最新の知識と情報を交換・発信し、患者さんの健康と福祉の向上に貢献できる学術集会を目指します。
今回の学術集会のテーマは「活動を育むリハビリテーション医学」(元紀(げんき)の国 和歌山)といたしました。生命科学の発展とともに、国民の健康寿命延伸への期待がこれほど盛り上がった時代がないからです。病院や地域でリハビリテーション医学に取り組んでいる医師、療法士、看護師、様々なメディカルエキスパートが垣根のない議論ができる場になるよう企画したいと考えます。
リハビリテーション医学の特徴の一つが臓器別でない点です。患者さんの活動性改善のため、全身を診る、Whole Bodyの観点での診療が基本です。まず医師がリハビリテーション医学の知識と技術を高め、臨床力を磨くことが必要だとわたくしは考えます。そして、療法士も医学的知識と技術を高め、タッグをくめば最良のリハビリテーション医療となるはずです。これが出来れば、日本が抱えている医療問題解決に向け大きく前進するはずです。この学術集会がその一助となれるよう準備を進めて参ります。
是非、皆様の御協力をいただけます様お願い申し上げます。
第58回日本リハビリテーション医学会学術集会
会長 田島文博
(公立大学法人和歌山県立医科大学医学部リハビリテーション医学講座教授
同文部科学省認定みらい医療推進センター センター長)